カネキン小椋製盆所

ちらし寿司の器

ちらし寿司の器

多彩に使う、
一生道具としての木地鉢

カネキン小椋製盆所がつくる木の器は、手作りによる木目と曲線の美しさ、さらには機能性の点で、多くのお客様から高い評価をいただいています。中でもここ数年、特に人気があるのが、南木曽ろくろ細工の技を最大限に活かして作っているオリジナル製品 「ちらし寿司の器」です。
その名のとおり、ちらし寿司をつくるときにご飯と具材を混ぜ合わせたり、料理を乗せてそのまま食卓に並べていただける器ですが、その適度な大きさと高さ、ろくろ細工による流麗な形から、ちらし寿司だけでなく、サラダや果物など、様々な用途でご利用いただけるマルチな器として注目されています。

私たちの南木曽地域ではこうした木肌を残した大型の器を「木地鉢」と呼び、家庭に欠かせないものとなっています。
ちらし寿司の器の材料には、北海道や木曽のような寒い地域で生育した「栓(せん)」という天然木を用います。栓は、美しい木目を持っていることから家具などの高級素材として使われることも多いのですが、臭いが少なく、アクが出ず、水にも強いのが特徴であるため、器として使うと程よく食材の水分を吸ってくれて、木の臭いも移らないという申し分のない素材なのです。もともと樽の栓として用いられていた素材だと言えば、その機能性をご理解いただけると思います。

ちらし寿司の器

ちらし寿司はもちろん、食卓のメイン料理にも

ちらし寿司の器

複数の板を組み合わせてタガで止めて作られる一般的な寿司桶は、側板が垂直に切り上がっていて、底面に対して直角になっています。それに対し、一本の木からろくろ細工で削り出した木地の器は、内側が適度な曲面を描いたボール状になっているので、寿司桶のように直角になった端の部分のご飯がすくいづらいということがありません。さらに、寿司桶よりも器の高さを抑えてありますので、しゃもじで混ぜ合わせるときの使い勝手は抜群です。

また、一般的なサラダボールなどよりも高さをかなり抑えてあるので、そのまま食卓に並べても、違和感なく他の食器と馴染みます。ですから、ちらし寿司の器という商品名にしていますが、いろいろな料理や食材との相性が良いのが特徴です。この器に料理を盛ると北欧っぽいムードも出てきます。フルーツはもとより、野菜などの食材を入れてキッチンに置いておくだけでも素敵ですし、それを見ているだけで今日の夕食は何にしようかな?とイメージもふくらみますね。

ちらし寿司の器

さらに、使用後もタワシ等で洗いやすいのでキレイに使い続けることができますし、寿司桶にようにタガが外れてこわれるということもないので、ある程度丁寧に扱っていれば何代にも渡ってお使いいただける一生ものの器となります。

使いやすさが形に現れる

ちらし寿司の器

制作工程としては、皆さんが思っている以上に時間がかかります。まず、切り出された丸太から、直径40~50cm以上のしみのないきれいな部分を選んで木取りを行い、割れを防ぐために半年以上かけてじっくり乾燥させます。乾燥によって材料の強度が高まった後に、ろくろで回転させて形を整えながら削り出し、最後にカンナで挽いて仕上げていきます。
外側には強度を高めるために透明なウレタン塗装をかけますが、内側(食品が入る側)は木地のままの風合いを残します。木地は、ご飯の水分を程よく調整してくれるので、食感の良い、とても美味しいお寿司に仕上がります。

ちらし寿司の器

外側の縁には、1cm強の幅で、ほんの僅かな段差が付けられています。これは、器自体を軽くするために可能な部分を少しでも薄くすることと、手に持った時に若干の引っ掛かりを作って滑りにくくすることが目的なのですが、すでに100年前にはこの形が完成していました。木地師たちは、こうした細かい技もしっかりと今に受け継いでいます。

何代にも渡って受け継がれる器

ご購入いただいたお客様からは「これでお寿司を作ると最高に美味しい!」との声を頂いており、作るものとしては最高の喜びを感じます。
また、お寿司だけではなく、パンづくり、団子づくりや、この器に水を張ってそうめんを食べるなど、皆様には様々な用途でマルチにお使いいただいています。もちろん、蕎麦づくりのこね鉢にも最適です。

お客様の中には、この木地の器を、ご飯のお櫃として使っている方もいらっしゃいます。食卓にそのまま置いても邪魔にならず、蓋つきであれば清潔で、内側の木地がご飯の水分を適度に吸ってくれるため、べったりしないギュッとしまったお米が食べられると言います。そして何よりも「この器からご飯をよそって食べると贅沢な気持ちになる。電気炊飯器で炊いたご飯の味がさらに一段アップする!」のだそうです。
炊き込みご飯を大皿料理のように家族で囲むテーブルの真ん中に置けば、みんなの笑顔が弾けること間違いなしですね。

一本の木からろくろで削り出して作るため、普及型の木製ボールと比べると価格はそれなりにしますが、実際に手に取っていただければ、その素材の良さと作りの確かさを実感いただけると思います。大量生産品では感じられないしっとりとした手触り感と、素材から発せられる天然木の質感が、日々の生活に豊かさをもたらします。
丸太からろくろで引き出した器ですので、傷がついたり黒ずみが出てきたりした時でも、修理が可能です。どんなことでもご相談ください。そうして、お母さんからお嫁さん、娘さんへと受け継ぎながら、一生道具として長く長く、愛着を持って、この器を使い続けていただきたいと願っています。
ちらし寿司の器には、蓋付きと蓋なし、大小や深さの違いなど、様々なサイズをご用意しています。詳しくは販売サイトをご覧ください。

ちらし寿司の器のさまざまな用途